日本人の黒く美しい髪
「髪は女の命」とは、古くから言われ続けている言葉ですね。 いつの時代も、国を問わず、女性は自分の髪を愛してきました。 ヘアスタイルでいえば、アレンジをするためのかつらやパーマの発祥は古代エジプトにまでさかのぼるといわれています。 日本では、平安時代の女性が描かれた絵は日本人のまっすぐに に伸びた美しい黒髪が象徴的ですね。 現代の日本人は、西洋人への憧れの思いがあるのか、髪を茶色にカラーリングしたり、パーマをかけている人がとても多いですね。 そのせいで、髪はダメージを受け、せっかくの日本人が誇る黒く美しい髪の女性をあまり見かけなくなりました。 これからの季節、紫外線はお肌だけではなく、髪にもダメージを 与えてしまいます。どうして、髪が傷んでしまうのかを知って、髪の健康を保ちましょう。
髪の構造
右の図でもわかるように、毛髄質(メデュラ)、毛皮質(コルテックス)、毛表皮(キューティクル)と呼ばれる3つの組織で出来ています。
毛髄質(メデュラ)
毛髪の中心部分にあり、太い毛ほど多いといわれている。これが無くても異常では無く、新生児の毛には含まれていない。
毛皮質(コルテックス)
毛髪のほとんどがこの毛皮質で、メラニン色素を多く含んだ繊維状のタンパク質が主成分。このメラニン色素の量で、毛髪の色が決まってくる。
毛表皮(キューティクル)
毛髪の表面部分で、薄く硬いうろこ状の膜が重なり合い、内部を保護する役目がある。最表面であるために、これが傷めばツヤが無いように見える。
なぜ髪は傷むのか
毛髪には水分が含まれており、環境によって水分量が変化します。例えば、乾燥した室内にいれば、肌と同じように水分量が減ってしまい、パサパサしてしまいます。春から夏にかけて、最も紫外線の多い季節は、髪にとってもかなりのダメージを受けています。紫外線は毛表皮(キューティクル)のタンパク質が変化し、そして剥がれてしまって内部にも悪影響も与えてしまうのです。このように、髪は環境から受けるダメージはとても大きいといえます。
カラーリングやパーマ
カラーリングやパーマは、日本人の黒いまっすぐな髪を薬剤によって、無理矢理変化させているのですから、髪にとって良いわけがありません。みなさんも、「パサつく」「きしむ」といった悩みはありませんか?ヘアカラーは、染料が毛皮質に浸透し、メラニン色素を脱色させ、染料の色を定着させます。これをすることによって、キューティクルを剥がしてしまい、、髪の内部の大切なタンパク質や水分が流れ出すダメージを与えてしまいます。パーマも、パーマ液によって同じようなダメージを起こします。今や若い女性で、カラーリングをしない人の方が少ないのかもしれません。黒い髪は重く見えるなど、敬遠しがちなのでしょうか。また、一時期「名古屋巻き」という言葉も生まれたように、巻き髪スタイルも流行しました。このように、特に若い女性がファッション性を追求すると共に、自分の髪をいじめてしまっています。人種によって、髪質が違い、西洋人のブロンドヘアも素敵ですが、日本人独特の本来の黒くまっすぐな美しい髪を誇りに思うべきではないでしょうか?