喫煙本数を減らしても死亡リスクは減らず
喫煙者の健康状態は、喫煙量を減らしても改善するとは限らないことが、ノルウェーの研究で明らかにされた。研究者は、単に1日あたりのたばこの本数を減らすだけでは、ヘビースモーカーの早期死亡リスクは低減しないとしている。
英医学誌「Tobacco Control」12月号掲載の研究報告で、ノルウェー健康スクリーニングサービス(オスロー)の研究チームは、喫煙者が禁煙努力する上で量を制限するのは一時的な効果をもたらすが、喫煙による早期死亡リスクを低減したいなら、きっぱりやめることが唯一の方法だとしている。
研究チームは、心血管危険因子に関する研究の開始時に20〜34歳だった男女約5万1,000人を対象に調査した。被験者はその後、平均20年の追跡調査期間中にさらに2度検査を受けた。被験者は、非喫煙者、禁煙者(初回と2回目の検査の間に喫煙中止)、中等度喫煙者(1日1〜14本)、減煙者(1日15本以上だが2回目の検査時には半分以下に減らしていた者)、ヘビースモーカー(1日15本以上)に分けられた。
男性では、全原因による死亡率において、ヘビースモーカーと減煙者では有意差は認められなかったが、女性では逆に、減煙した人のほうがヘビースモーカーに比べ全原因による死亡率が高かった。研究者は、人はたばこの量を減らすことで、疾患や早期死亡リスクを低減できると思い込まされていると結論付けている。