診察を上手に受けるための患者心得
診察時間というのは、あっという間に過ぎてしまう。そして、車へ戻ったときには聞き忘れたことがいくつもあるのに気づくのだ。以下に挙げる簡単なアドバイスに従うことで、より賢い医療サービス利用者となり、医療機関や医師との関係もずっと良くなる。
米国家庭医学会(AAFP)の理事でセルマー(テネシー州)の家庭医Jim King博士は、診察を受ける前にまず「話したい内容をリストにする」ことだと述べる。さらに、診察の目的(足首の捻挫の回復状態をチェックする、高血圧の治療法を見直すなど)を確かめておく。AAFP理事で、ブライトン(コロラド州)の家庭医Virgilio Licona博士は、すべての症状と質問を書いておくよう助言している。
病院へ行く前には、検査のために絶食が必要か、通常の投薬治療を中断する必要があるかなどを確認する。患者が思い込みから勝手に服薬を中断し、その薬の効果をみるための検査ができなかったという例もある。また、服用しているすべての薬を、容器ごと持参するとよい。薬草やサプリメント、市販薬を使っているなら、それを医師に話す良い機会でもある。
King博士は、診察中は医師の言うことを書き留めるようにとも助言する。また、特に診断がおりた直後には、説明を理解する助けとして家族や友人を同伴すると、当人が思い浮かばない疑問を考え付いてくれるかもしれない。一人で行く場合、内容を覚えておくのが難しいようなら、医師の許可を得て会話を録音するのも一案である。
携帯電話の電源は切っておくこと。Licona博士は「電話を切るのは、礼儀上の問題だけでなく、医師との時間を最大限に生かすためだ」と述べる。
なお、次の診察がいつか、検査の指示が出たならいつまでに受けるべきかを聞くこと。必要な場合は、後からでも確認を取るようにする。指示が理解できなかったり、新しく疑問が出たりしたときは、医師に電話をして構わない。また、検査結果を受け取らなかったなら、必ず電話で問い合わせること。「便りがないのは良い知らせ」とは限らない。