顔面移植術を受けた女性が喫煙を再開
世界初の顔面の部分的移植術を受けたフランスの女性が、喫煙を再開し始めた。担当医らは、喫煙によって組織への血流が阻害され、傷の治癒が遅れて、組織の拒絶反応のリスクが高まるのではないかと危惧している。
この移植術は2005年11月27日、フランスのJean-Michel Dubernard博士らの外科チームによって施行されたもの。Dubernard博士は、米ツーソン(アリゾナ州)で開かれた医学会で、草分けとなるこの移植術に関して初めてその内容を発表した。
AP通信によると、38歳のこの女性患者は、ペットのイヌによって顔を傷つけられ、鼻と顎(あご)、唇が移植された。先月(2005年12月)組織の拒絶反応がみられたが、現在は回復しているという。
学会では一部の米国の医師から、この初の顔面移植術が倫理的にも良識的にもこれ以上議論の余地はないとの見解が示された。さらに、今後顔面の移植術を施行するにあたり、できる限り安全性を高めることに焦点をおく必要がある点が指摘された。