ネコもアルツハイマー病にかかる
ネコがアルツハイマー病を発症することが英国および米国の研究によって判明し、獣医学誌「Journal of Feline Medicine」最新号に掲載された。研究グループは、ネコの脳細胞に形成され、知的機能の低下をもたらす蛋白(たんぱく)を特定したという。研究を行った英エジンバラ大学王立獣医学部Danielle Gunn-Moore氏は、この蛋白は、ネコの老化プロセスを理解するのに重要なものだと述べている。
ネコに認知症があることは長い間知られていたが、今回の研究では、ネコの神経系が傷つく過程がヒトのアルツハイマー病とよく似ていることが明らかになった。過去の研究で老齢のネコの脳に砂状の斑が認められていたことから、その可能性が示唆されていたが、今回それが確かなものとなったという。
ネコの寿命はヒトに比べて短いため、アルツハイマー病に対する食事、高血圧、処方薬などの影響について速やかな評価が可能となる。もちろんネコ自身のためにも、老齢のネコについてさらに理解を深める必要があるとGunn-Moore氏はいう。
飼いネコもヒトと同じように寿命が延びており、認知症を発症する率も高くなっている。Gunn-Moore氏によると、11〜14歳の飼いネコの28%、15歳を越えると50%以上が、加齢による行動障害を少なくとも1つは発症しているとのこと。よい食事、精神的刺激、飼い主との良好な関係が、ネコの認知症リスクを減らすという。