羊水内の蛋白(たんぱく)スクリーニングで早産を予測
羊水中の蛋白(たんぱく)組成から、感染症や早産など妊娠中の問題を正確かつ迅速に予測できるという知見が、マイアミで開催された米国母子医療協会(SMFM)年次集会で発表された。
米エール大学(コネチカット州)Catalin S. Buhimschi博士らは、早産症状を示す妊婦135人の羊水を調べた。その結果、羊水中の炎症のマーカーとなる蛋白組成(プロテオミック・プロファイル)から、従来より2倍早く、より正確な結果が得られることがわかった。炎症マーカーが2種類より少なければ、出産までのメディアン(中央値)は5〜6日、すべての炎症マーカーがみられたら出産は数時間のうちだという。
この研究は、小児の健康を研究するチャリティー団体March of Dimesの先天性欠損財団の賞を受賞している。Buhimschi博士の目標は、早産症状があった場合、どの妊婦で子宮内炎症や子宮内感染による胎児の合併症リスクが高いかを、より正確に予測する検査方法を確立することだという。
March of Dimesの医学部長Nancy S. Green博士は「このような研究は、早産の基本的なメカニズムを理解し、早産を回避し、治療する方法を見つけるために必須のもの。今回の研究は早産リスクが最も高い女性を識別する新しいツールを提供するもので、妊婦のリスクを知り、それにうまく対処することは、胎児の健康を劇的に向上することにつながる」と賞賛している。