接触皮膚炎のアレルゲンとなる金属化合物
人をむずむずさせるものは金がすべてではなく、高価な金属がアレルギー性接触皮膚炎と呼ばれる皮膚疾患の主要な原因であることは確かなようだ。アレルギー性接触皮膚炎は、アレルゲンに直接接触することにより、皮膚に腫れ、発赤、かゆみをもたらすのが特徴。
先ごろサンフランシスコで開催された米国皮膚科学会(AAD)で報告された米メイヨークリニック(ミネソタ州)の研究では、アレルギー性接触皮膚炎患者,854人を対象に、平均69種類のアレルゲン検査を施行。分析の結果、被験者の69%が1種類以上に反応し、50%が2種類以上に陽性反応を示した。
アレルギー性接触皮膚炎のアレルゲンとなる金属化合物は:
・ニッケル ― ジュエリー、留め金、ボタンに使用。
・金 ― ジュエリーで一般的に使用。
・ペルーバルサム ― 樹脂由来の香料。香水やローションに使用される。
・チメロサール ― 水銀化合物。ワクチンや局所消毒薬に使用される。
・硫酸ネオマイシン ― 応急処置(first-aid)用クリームや軟膏などの局所用抗生物質に使用。化粧品、制汗剤(デオドラント)、石鹸、ペットフードなどにも含まれる。
・香料ミックス ― 最も一般的な香料アレルゲン8種の集合体。食品、化粧品、殺虫薬、防腐、石鹸、香水、デンタルケア製品などに含まれる。
・ホルムアルデヒド ― ペンキ、医薬品、織物仕上げ、紙製品、家庭用洗浄剤、化粧品など多種製品で防腐薬(保存薬)として使用。
研究では、一般的な接触アレルゲンを特定する標準的な接触性皮膚炎パッチテストの有用性も確認された。接触性皮膚炎ではアレルゲンを避けることが最も主要な治療法となる。発疹(皮疹)などの症例では、コルチコステロイドクリームが有用な場合もある。