健康増進には1日30分の歩行を頻繁に
1日30分の速い歩行(早歩き)を高頻度で行うことで、心臓の健康が向上するという研究が、米医学誌「Archives of Internal Medicine」11月14日号で報告された。
米フロリダ大学公衆衛生健康学部のMichael Perri博士らは、運動をあまりしない30〜69歳の男女500人を対象として、2年間にわたる研究を行った。その結果、1日30分、中等度もしくは強度の歩行を週に5日以上、あるいは強度の歩行を週に3、4日行うことが、心肺系の健康維持に長期で顕著な(統計学的に有意差のある)向上をもたらすという結果を得た。ペースの速い歩行を頻繁に行うことで、最も大きな健康維持効果が得られたという。
「週5〜7日の30分間の歩行が健康によい効果を与えるという点が重要」だとCooper研究所(テキサス州)のSteven Blair博士は同誌の解説記事で述べている。
米国のガイドラインは、被験者が運動を完遂したかを観察できる実験室設定での研究に基づいて設定されているが、職場や家で運動を遂行するようにいわれた場合、通常は指示された運動の60%しか実行されていないという。その結果「週に3、4日の中程度の歩行」という処方では、健康維持に変化を与えるほどの運動量に満たない可能性があるとPerri博士はいう。