中国福建省武夷山で産出される白鶏冠は、大紅ホウ、水金亀、鉄羅漢と共に武夷四大銘茶と呼ばれています。
武夷山は三十以上の峰が連なる岩山で、その岩肌に生育している茶葉は岩茶といいます。標高300mもの岩肌で茶葉が育つのだろうかとも思いますが、朝晩霧に包まれ、日中は斜面に降り注ぐ日差しを浴び、そして岩に豊富に含まれるミネラルと水を吸い上げて育ちます。
この白鶏冠の茶葉は、葉が白く縁取られ、ギザギザしています。この個性的な形が鶏のトサカに似ていることから名前が付けられたと言われています。
このお茶は「三紅七緑」の割合で3割程度の発酵をさせます。岩茶はどちらかというと力強い味わいですが、その中でこの白鶏冠は柔らかなやさしい口当たりです。そして、「岩韻」と呼ばれる岩茶特有の残り香があります。また、豊富なミネラルをたくさん含んだお茶は血行を良くし、冷え性を改善する効果もあり、口にすると体の中から暖かくなってきます。
武夷山の白蛇洞口という場所で採れた品種です。ほかの岩茶よりも明るく、赤みを帯びている様子が鶏のとさかを思わせることからこの名がついたそうです。香りは花のような甘い香りで、ほかの岩茶にある海草に似た香りが弱いことが特徴です。味もどことなく女性的なやわらかい果実の甘みと酸味が長く感じます。
大紅袍より優しい香り。香りは好みですが強い香りが苦手な人は調度良い。ほうじ茶のような香りのイメージ。
少し渋みのキレが出てきて、さっぱりとしてるが物足りなさはなく、刺々しさもない。
何煎も飲んでいくと、次第に煙の香りは気にならなくなって、奥ゆかしい香りがほんのりとする。
硬質で透明感があって、恬淡とした雰囲気のお茶だと思う。仙人が飲んでいそうなお茶だなあ。
お茶の味は、つかみどころがないような、さらっとした味に思えるが、後口が甘く、何煎でも飲めそうだ。
お茶がするすると喉に落ちて行くようだった。
後口の甘さは、お茶の味そのものが甘いのではなくて、渋いものを食べた後に水を飲むと水が甘く感じられる時のような、不思議な感覚からきているようだった。しかも、このお茶の味が渋いわけではないのに。
茶壷で100度に近い温度でいれてみた。
1煎目は燻した煙のような香りが強く、やや荒っぽくて硬い印象だった。
2煎目になると、後口に上品な小豆のような香りがしてきて、残り香も甘くて心地よい。